新年互礼会 開催される

令和8年 文化協会・伝承芸能保存会 新年互礼会

2026年1月25日(日)に文化協会・伝承芸能保存会による新年互礼会が開催されました。先ずは「明日香の響き保存会」による八雲琴の初弾きが行われホールに響く琴の音色に聞き入りました。小学校3年生も参加して精一杯演奏する姿に大きな拍手が送られました。

開会挨拶では、境山会長が本年の干支である午(馬)に関わる聖徳太子の「黒駒」の話などをされ、今後も文化協会に対するご理解とご協力をお願いしました。来賓の方々からの挨拶は、熊丸敦之副村長、石田雅則村会議長、亀甲義明県会議員、明日香保存財団・石井一良理事、万葉文化館・辻祥子館長からそれぞれ祝意とご挨拶をいただきました。多くの来賓の方々から伝統を引き継いでいる文化協会や伝承芸濃保存会の活動に敬意を示され「今後とも支援をしていきたい」との力強いお言葉をいただきました。
開会式行事後は万葉朗唱の皆さんにより、万葉の優雅な世界を繰り広げていただきました。

特別出演では、落語家 笑福亭竹林さんをお招きして落語を披露していただきました。竹林師匠の軽快な口調は冒頭から会場を一気に笑いの渦に巻き込みました。参加された皆さんから「面白かった」との感想をいただきました。最後に伝承芸濃保存会・脇田初枝会長からの閉会挨拶で全ての日程が終了しました。

令和7年度夏期講座報告

今年度も夏期講座が開催されました。各講座ごとに振り返ります。

〇絵手紙  7月12日 東 紀子先生

昨年と同じでうちわに絵を描くという先生の説明で、描く題材は先生が描かれたヒマワリや朝顔、花火など、また自身で用意した猫の絵を使う方もおられました。作成手順の説明を受けた後、各自で先生の丁寧な指導を受けながら細かい作業をこなし、夏らしいうちわが完成しました。

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〇懐かしの歌をうたおう 7月15日 講師 井上 澄子先生

‘‘気軽に自分たちの好きな歌を歌おう‘‘をモットーに、司会の方と先生のピアノ伴奏で進められました。また準備してくださった歌詞プリントから自分たちの好きな歌を選んで全員で歌いました。歌唱のあとで樫の意味を全員で確認して「夏は来ぬ」「浜辺の歌」などでは意味を歳時記に関連させて楽しく語り合いました。
特に「明日香詩情」「明日香慕情」「明日香村民の歌」などの曲を作曲された西川正夜詩さんは、元岡郵便局長代理として働く傍ら曲つくりをされ、「アカシアの雨がやむとき」「くちなしの花」のヒット曲の作詞も手掛けられたようです。

 

〇砂絵  7月18日 講師 南澤 恭石先生

受講生12名中6名が初めてとのことでした。先生から描く風景の説明を受け、お手本を見ながら黒塗りの盆上に自然の石を置き、白砂をまき、羽根で砂を払って自然の情景を現します。富士山の傾斜は先生に見本を示してもらっても書くのはとても難しいものでした。「全般的に難しかったけれど楽しかったです」との感想をいただきました。

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〇切り絵  7月19日・7月26日 講師 森脇 新一郎先生

今年も2日にわたって講座が開かれ、先生の挨拶や説明のあと、先生が持参された図案を各自が選びました。たいていは一年ぶり、または初心者であり、手順を確認しながら、切り抜く作業に没頭していきました。そして出来上がった図案に色を入れていく過程ではそれぞれの個性が出て同じ図案でも全く違う作品になります。仕上がるまで先生はお手伝いしてくれますし、自分で用意した図案でも対応してくれますので自由度が高い講座です。

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〇書道  8月10日 講師 稲垣小燕先生

「書いた文字は心に残る」を胸に取り組みました。万博・万葉集・本人の思いなどから好きな課題を選んで色紙や木の板の作品に仕上げていきます。特に木の作品作りは初めての人が多く人気がありました。自由な発想に先生のアドバイスがプラスして、とても楽しい作品が仕上がりました。

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〇絵手紙  8月10日 講師 愛水 香薫先生

今年は、先生は趣向を変えて、蝋を使って描く方法を取り入れてくださいました。そのため濃淡、ぼかしが表しやすくなり素敵な作品ができました。各自の要望に応じて親切にご指導くださり、皆、思い通りの書きたいものを完成されました。出来上がった作品をみんなで鑑賞し、感想を言い合って楽しい講座となりました。来年はお正月の題で描きたいとの要望に先生も快諾されました。

 

〇あすか物語  8月24日 講師 関 義清先生

自己紹介から始まり、村長として5期20年に及ぶ村政を担われた期間、村にとって多くの大きな節目がありましたがその事柄を時系列に境山会長との質疑応答形式で話されました。明日香特別措置法(明日香法)、東京の議員会館に行かれた話、高松塚発掘時のことなど村の歴史に関連する話が繰り広げられました。どのことも人が関わるのでと配慮されながらの内容でしたが、参加の皆さん大変興味深く真剣に聞かれていました。最後は女性を大切にというやさしい人柄が感じられる言葉で締めくくられました。

 

 

 

伎楽『獅子奮迅』を上演

明日香村文化協会 総会より

令和6年5月19日(日)多くの来賓の皆様の出席のもと明日香村文化協会総会が行われました。松村滋子副会長の司会で始まり提案したすべての案件が了承されました。
柏木教育長、松本村議会議長、亀甲県会議員、田中飛鳥保存財団理事から来賓の挨拶がありました。柏木教育長からは本協会が発刊した「繋」やブックレット「豊年橋の謂れ」への取り組みでの労いの言葉と村内の園、小、中学生全員にブックレットを配布してもらっていることについて、文化協会への感謝と称賛の言葉をいただきました。

総会終了後は、明日香村主催で天理大学雅楽部により伎楽『獅子奮迅』が上演されました。伎楽は、612年百済から飛鳥に伝わったとされる無言の仮面劇です。劇の内容は、酔故王が宴会で獅子に酒を飲ませたために獅子が暴れまわりその獅子を落ち着かせるために、笛を吹くなどいろいろしながら最後に牡丹の花をくわえさせて抑えるという展開です。
劇は龍笛、鉦盤、腰太鼓の生の伴奏とともにスムーズに上演されました。20名にも及ぶ出演者の皆さんによるコミカルな軽快な動きに思わずほっとする内容で、伎楽に大変興味を持ちました。狭いスペースと階段があるなど施設面での制約がある中での熱演に大きな拍手が起こりました。

村民への案内は、防災無線だけではありましたが、120名の皆様が鑑賞されました。
伎楽上演後は、天理大学雅楽部総監督佐藤浩二先生と明日香村文化協会境山正甫会長によりますパネルディスカッションが行われました。司会は四天王寺大学講師辰巳俊輔先生により進められました。この中で、伎楽と飛鳥のかかわりについて「伎楽は飛鳥時代に伝えられた劇で推古20年(612年)百済からの渡来人味磨之が習得したとあり、現在の豊浦に住まわせた少年たちに伎楽を習わせた」と記録があると紹介されました。川原寺、橘寺に伎楽上演の一団が置かれていたそうです。
明日香村での現時点での取り組みについて佐藤先生は「2年前から明日香小の3~6年を対象とした出前授業を行い、お面作りから始めた。子ども達だけで演じる機会も2度ほどあり経験も積んだ。」として村内での取り組みの状況も話されました。佐藤先生は「練習では心配する面もあったが本番では上手にできて驚いた」また「明日香小の子どもは、積極的に自分でこの役をやってみたい、やりたいと名乗りを上げて自分たちの台本で演じてくれた」と積極的に子ども達が取り組んでいることを話されました。最後に今後の伎楽のあり方について境山会長は「明日香で独自のテーマとして、伎楽を作りたい。村内には龍笛などを演奏できる人材もある。将来的に伎楽団を作って大人が何らかの形で協力して伎楽を作り上げる夢を持っている」と結びました。

ブックレット「豊年橋の謂れ」を発刊

明日香村文化協会が取り組むブックレットの第三集「豊年橋の謂れ」を発刊しました。
豊年橋と呼ばれる橋は、近鉄吉野線飛鳥駅に近い国道169号線沿いを流れる高取川にかかる明日香村大字平田から大字越へ通じるところにあります。この橋の側には、『ほうねん橋の碑』と彫られた大きな石碑が建っています。現在豊年橋はコンクリート製の橋ですが、もともとはこの石碑が橋として川に架けられていました。
この物語は、この橋を架けるにあたって心血をそそいだ旧越村(大字越)の服部宗賢が主人公です。
宗賢はいまから約200年前の江戸時代の人で高取藩(現在の高取町、明日香村、橿原市の一部を治めていた)のおかかえのお医者さんでした。名医として名をとどろかせた人で、村の人が困っているのを放っておくことができませんでした。
宗賢は私財を投じて村人に呼びかけて橋を架けたのでした。この橋が完成してからは大雨が降っても橋が流されることがなくなり、豊作の年が続いたので豊年橋と呼ばれるようになったとのことです。
この『豊年橋の謂れ』にはモデルとなった絵本があります。橿原市在住の野田淑子さんがお孫さんのために色鉛筆で手作りされた和綴じの絵本です。和紙に丁寧に描かれており文章は筆で書かれています。
ストーリーは戦前の小学校の副読本に基づいていますが、挿絵はありませんでした。そこで野田さんは図書館に足しげく通い多くの書籍を参考にしながら見本となる人物、場面を探し出して描かれました。登場人物の表情や高取城の全容、医術にかかわる場面など細部にわたって、細やかに優しい色使いで丁寧に描かれています。
紙芝居制作委員会では、ブックレットにするに当たり小学校中・高学年の児童にもわかりやすくするために紙芝居の原文をやさしい言葉に改めました。ただ物語の展開上、むずかしい語句であっても歴史的な語句についてはそのままにして、横に説明文をつけています。
なお、表紙の題字は、日本画家の烏頭尾精先生の協力を得ました。また装丁については同じく日本画家の烏頭尾忠子先生の手を煩わせました。
文化協会の会員の皆さんと明日香村内の小・中学生全員に配布しました。

現在の豊年橋(野田さんの絵本より)