文化講座『古文書で読み解く飛鳥』
くずし字にチャレンジ
「くずし字の読み方を基礎から学びます」
をモットーに三回にわたって開催して
います。
第一回目が8月27日に実施されました。
講座としては7年目を迎えています。
講座は予習した現在語訳を、分担して
ホワイトボードに書き、それを先生が
説明しながら添削をするという学習方式
です。
講師の安田真紀子先生(奈良からくり
おもちゃ館館長・奈良大学講師)
からも“読みとるのはなかなか難しいので
わからないところがあっても
あきらめないで、わかる字だけで読み
進めてください“と話されています。
地元「飛鳥」のことが記されている
『大和名所図会』を教材としています。
『大和名所図会』は秋里籬島(あきさとりとう)
によって1791年(寛政3年)に完成された
旅のガイド書です。
各地の名所の歴史や由来、地理、風俗など
の情報を文字と挿絵で記しています。
江戸時代には、旅行が大流行しました。
各地のガイド書が作られ、なかでも
『大和名所図会』は爆発的に売れました。
この本は手書きしたものを版木に彫り
刷ったもので版本と呼ばれるものです。
誰でも読みやすい文字と難しい文字には
ふりがながふられています。
私達はくずし字が読めなかったら、
似ている楷書体の字を思い浮かべ
それをどうくずしているかと考えてしまいます。
先生によると「江戸時代の庶民は
書体というものを知らないので、
元の字の意識はなく書いています」
と教えていただきました。
また句読点の概念もなく、意味が
取り違えされるものには
作り手の配慮で〇をつけることも
あったとのことです。
「ここではきものをお脱ぎください」
の一文から
『ここで、はきものをお脱ぎください』
『ここでは、きものをお脱ぎください』
の文例を紹介されました。
また主語と述語の関係がないので
『私は〇〇です』
という文にはならず、誰のことか何のことか
わからない場面もあったりします。
その他にも江戸時代の生活や習慣など学ぶことの
多い講座です。
みなさんも気軽に参加してみませんか。
第二回は11月26日(土)、
第三回は令和5年1月28日(土)です。
いずれも13時30分からです。
※希望の方は、講座の1週間前までに
明日香村文化財課へお申し込みください。
文化財課 0744-54-5600